Astro-E2でひらくX線分光天文学
Prospect and Retrospect of the Cosmic X-ray Spectroscopy
- Research Strategy for Astro E2 -
(Ver16)
( Word版 )
○日時 2005年3月18日 10:00 〜 3月19日 17:00
場所 京都府民総合交流プラザ 京都テルサ ( http://www.kyoto-terrsa.or.jp /)
口頭講演会場:第一会議室 ポスター会場:第二会議室
○主催 京都大学21世紀COE「物理学の多様性と普遍性の探求拠点」
○趣旨
日本は、1979年の「はくちょう」以来、4機のX線天文衛星をほぼ一定間隔で打ち上げてきました。各エポックで ”今後の最先端科学は何か、その解明にはどんな衛星が必要か”を常に問い、議論しながら、「あすか」にまで続く、特徴ある小・中型衛星を作り上げてきました。このように機動性と継続性を重した研究戦略こそが日本のX線天文をして世界の牽引車たる地位に押し上げ、若手研究者の育成に多大な寄与をしてきたのです。
我々は、これまでに積み上げ、問い続けてきた最重要課題の解明にはX線高分散分光衛星が必須と判断し、「あすか」の後継機、Astro-E衛星計画を進めてきました。
不慮の事態、諸般の事情により5年間の衛星空白期が生じてしまいましたが、やっとAstro-E2の打ち上げを秒読み段階にまでもっていくことができました。衛星は高い技術や技能労働だけで成功するものではありません。注意力、判断力と緊張の欠如は即、重大な失敗につながるのです。
打ち上げの最終段階に入ったこの時期、再度、気を引き締め、緊張感と意気を最大に高めていくことが成功への鍵でしょう。本ワークショップはそのような意図をこめて開催するものです。
我々の意気の源泉は”X線天文学で世界の最前線に立ち、日本の宇宙科学の主柱たらんとすること”にあるでしょう。本ワークショップで”世界最高のX線分光性能を有するAstro-E2を用いた研究戦略”を探りませんか。
○世話人
SOC:小山勝二(京大・理)、牧島一夫(東大・理)、井上一、國枝秀世(JAXA/ISAS)
LOC:鶴 剛、小山勝二、松本浩典(京大・理)、粟木久光(愛媛大・理)、
山内茂雄(岩手大・人文社会科学)、佐々木有香(秘書)
○発表方法
口頭発表:液晶プロジェクタを準備しますので、ノートパソコンを持ち込んで使用してください。OHPは今のところ準備しない予定です(どうしても、ということであれば相談に応じます)。
ポスター:幅90cm x 高さ240cmのボードを用意します。実際にはこれだと見るのに高すぎますので、各自この範囲で読みやすい大きさで利用してください。
○収録
口頭講演プログラム
(講演+質疑)
3月18日
10:00 はじめに:AstroE2研究会にようこそ (10+0分)
鶴 剛 (京大理:LOC)
輝線、吸収線を用いた運動学と天体構造解明
ーコンパクト天体ー
10:10 SS433: Astro-E2は何を明らかにするのか (15+5分)
河合誠之 (東工大・理)
10:30 Astro-E2による弱磁場中性子星への質量降着流の研究 (10+5分)
高橋 弘充 (東大・理)
10:45 吸収線で探る降着円盤の物理 (15+5分)
上田佳宏 (JAXA/ISAS)
11:05 X線スペクトルとその変動で探るAGNの``Obscuring torus'' (10+5分)
寺島雄一 (JAXA/ISAS)
11:20 ガンマ線バースト・残光研究におけるX線分光とAstro-E2への期待 (10+5分)
吉田篤正 (青山学院大)
ーディスクラインー
11:35 Astro-E2による銀河系内ブラックホールからの広がった鉄輝線観測 (10+5分)
山岡和貴 (青山学院大)
11:50 XRS+XIS+HXDでみるAGN (10+5分)
林田清 (阪大・理)
12:05 (昼食&ポスター) (95分)
特別講演
13:40 宇宙における長距離相互作用の果たす役割 (40+10分)
牧島一夫 (東大・理)
輝線、吸収線を用いた運動学と天体構造解明(続き)
ー拡散天体ー
14:30 Astro-E2で探る銀河に引きずられた銀河団プラズマの運動 (10+5分)
川原田 円 (東大・理)
14:45 Astro-E2による銀河系中心分子雲の蛍光分析 (10+5分)
村上弘志 (JAXA/ISAS)
15:00 Astro-E2 で探る原始星の構造とダイナミクス (10+5分)
坪井陽子 (中央大・理工)
ー弱い輝線や輝線と連続成分の分離ー
15:15 Astro-E2を用いた超新星爆発における元素合成の直接検証 (10+5分)
玉川 徹 (理研)
15:30 XRSで切り開くWarm-hot intergalactic medium観測の新展開 (10+5分)
竹井 洋 (JAXA/ISAS)
15:45 (休憩&ポスター) (45分)
ーダスト散乱とXAFSー
16:30 XMM-Newton衛星によるダスト散乱ハローの観測と、
ASTRO-E2衛星によるダスト吸収構造観測への期待 (10+5分)
吉野友崇 (JAXA/ISAS)
16:45 「輝線と吸収線を用いた天体構造の解明」のまとめ (25+10分)
満田和久 (JAXA/ISAS)
特別講演
17:20 AstroE2の成功へ向けて 〜衛星は一日にしてならず〜 (25+10分)
井上一 (JAXA/ISAS)
特別講演
17:55 次代のミッションを担う方々へ〜衛星造りの現場から (25+10分)
北出賢二 (NTspace)
衝突/光電離プラズマの奥深い世界
ー粒子密度ー
3月19日
09:00 大質量連星系エータカリーナの鉄K輝線、何でゆらゆらはためくの? (10+5分)
濱口健二 (NASA/GSFC)
09:15 Astro-E2でさぐる激変星の物理 (15+5分)
石田 学 (都立大・理)
ー光学的厚さー
09:35 高電離鉄輝線のコンプトン散乱を用いた白色矮星の組成探査 (10+5分)
寺田幸功 (理研)
09:50 衝突電離プラズマと光電離プラズマの奥深い世界 (25+10分)
北本俊二 (立教大・理)
10:25 (休憩&ポスター) (30分)
重元素組成比
10:55 重元素組成比問題の解決 (25+10分)
常深博 (阪大・理)
非平衡宇宙:熱世界から非熱へ、再び熱世界へ
ー電子温度、イオン化温度、イオン運動温度ー
11:30 IC443で発見された過電離プラズマ (10+5分)
平賀純子 (JAXA/ISAS)
11:45 diffuseX線源の超熱的電子分布
政井邦昭 (都立大・理) (15+5分)
ー極限の非平衡=加速のメカニズムー
12:05 銀河団ガス中の乱流とその効果 (10+5分)
藤田 裕 (国立天文台)
12:20 (昼食&ポスター) (100分)
14:00 Astro-E2による銀河団の粒子加速のプローブ (10+5分)
深沢泰司 (広大・理)
14:15 X線分光を用いた超新星残骸衝撃波面での宇宙線加速効率の解明 (10+5分)
馬場 彩 (理研)
ー非熱から再び熱の世界へー
14:30 X線分光による銀河団中心部の観測 (10+5分)
田村隆幸 (JAXA/ISAS)
14:45 「加熱と加速過程の非平衡物理学」のまとめ (25+10分)
大橋隆哉 (都立大・理)
15:20 (休憩&ポスターを外す) (20分)
特別講演
15:40 銀河中心とリッジの鉄輝線放射の謎
ーラインX線学の歴史と展望をまじえてー (40+10分)
小山勝二 (京大・理)
16:30 おわりの言葉:AstroE2の成功へ (15+0分)
國枝秀世 (JAXA/ISAS)
16:45 事務連絡 (5分)
松本浩典 (京大・理:LOC)
座長
3/18 10:10-12:05 粟木久光 (愛媛大・理)
13:40-15:30 山内茂雄 (岩手大・人文社会科学)
16:30-18:30 堂谷忠靖 (JAXA/ISAS)
3/19 9:00-10:25 松本浩典 (京大・理)
10:55-12:20 石田 学 (都立大・理)
14:00-15:20 田代 信 (埼玉大・理)
15:40-16:50 前田良知 (JAXA/ISAS)
ポスター番号 ポスター講演プログラム(順不同)
P1 臨界降着におけるブラックホールのエネルギー収支(特にULX)
久保田あや (理研)
P2 Astro-E2による大光度X線源に附随する星雲からの蛍光輝線の探査
宮脇 良平 (東大・理)
P3 熱的不安定中の降着円盤のX線スペクトル
川田 明寛 (大阪教育大)
P4 降着円盤とともに回転する点光源によるDisk-lineとその変動
川畑 亮二 (阪大・理)
P5 鉄輝線を使った活動銀河核の構造解明
粟木 久光 (愛媛大・理)
P6 Astro-E2によるSeyfert 銀河からの鉄輝線放射起源の解明
大野 雅功 (広大・理)
P7 Astro-E2および可視光観測によるブラックホールの観測
永江 修 (広大・理)
P8 X線光度曲線からブラックホールに迫る
渡会 兼也 (大阪教育大)
P9 Fornax A から探るAGN活動の歴史
伊藤 光一 (埼玉大)
P10 XMM-NewtonによるBlue Compact Dwarf VIIZw403の観測
宮内 智文 (阪大・理)
P11 XMM-Newtonで探るSS433のジェット周辺のプラズマ構造
久保田香織 (東工大・理)
P12 X線と電波観測で切り拓く、活動銀河核ジェットの物理
片岡 淳 (東工大・理)
P13 電波ローブのX線観測--ジェットのエネルギー測定--
磯部 直樹 (JAXA)
P14 中性子星におけるX-ray burst でのr-p過程及びSuper burstからの鉄輝線の観測的検証
杉田 聡司 (青山大・理工)
P15 Astro-E2 による Anomalous X-ray Pulsar の観測
森井 幹雄 (JAXA)
P16 MAXI&Astro-E2時代のbinary研究
三原 建弘 (理研)
P17 MAXI&Astro-E2時代のAGNの研究
根来 均 (日大・理工)
P18 HETE 衛星 による GRB020813 の観測
佐藤 理江 (東工大・理)
P19 HETE-2衛星が捉えた軟ガンマ線リピータのスペクトル解析
中川 友進 (青山大・理工)
P20 ガンマ線バーストと初期宇宙:ASTRO-E2の役割
村上 敏夫 (金大・理)
P21 Chandra衛星によるRCW89の観測
谷津 陽一 (東工大・理)
P22 XRSを用いた銀河中心における中性鉄輝線放射起源の解明
高木慎一郎 (京大・理)
P23 XMM-Newtonで探る銀河団ホットガスのバルクモーション
西野 勇一 (阪大・理)
P24 X線分光で探る太陽系内現象
伊藤 真之 (神大・発達科学)
兵藤 義明 (京大・理)
P26 XRSによるX線連星パルサーの分光観測
幸村 孝由 (工学院大学)
P27 XMM observation of the Super-soft source CAL87
海老沢 研 (NASA)
P28 超新星残骸W28に見られる多温度放射
植野 優 (京大・理)
P29 超新星残骸G344.7-0.1のX線観測
山内 茂雄(岩手大・人社)
P30 Superbubble N44 における高エネルギー活動
中嶋 大 (京大・理)
P31 Astro-E2で探る銀河系中心領域の超新星残骸候補
前田 良知 (JAXA/ISAS)
P32 銀河中心領域からの熱的および非熱的X線放射
千田 篤史 (京大・理)
P33 RXTEによる銀河面リッジ硬X線放射分布の解析
高橋 拓也 (広大・理)
P34 Astro-E2で探るpost-starburst銀河NGC1808の化学組成
平家 和憲 (愛媛大・理)
P35 X線で暗い楕円銀河の高温ガスにおける重元素アバンダンスの観測
戸塚 都 (広大・理)
P36 HCG62 銀河群中心部の温度とアバンダンスの分布
森田うめ代 (都立大・理)
片山 晴善 (JAXA)
P38 銀河団中心部における放射冷却とプラズマ加熱
川埜 直美 (広大・理)
P39 Astro-E2で捉える遠方銀河団マージングとガス加熱
太田 直美 (理研)
P40 電波銀河PKS2356-61による銀河団プラズマの加熱
洪 秀徴 (埼玉大・理研)
P41 NGC2146における広がった硬X線放射と中性元素輝線
乾 達也(京大・理)
P42 核融合研LHDからの鉄輝線の測定実験計画と、Astro-E2衛星データ解析におけるその活用法
松本 千穂 (名大・エコトピア)
P43 Astro-E2搭載X線CCD(XIS)BIチップにおける新しい解析法の構築および応答関数の作成
山口 弘悦 (京大・理)
P44 Astro-E2衛星搭載用X線CCDカメラ(XIS)の軟X線領域における性能
勝田 哲 (阪大・理)
P45 気球搭載SD-CCDのデジタル・データ処理システムの開発
穴吹 直久 (JAXA/ISAS)
P46 シンチレータ蒸着型 CCD (SD-CCD) を用いた気球実験計画
向井 謙治 (阪大・理)
P47 CCDとシンチレータを組み合わせた光子計数可能な広帯域X線検出器の開発
田和 憲明 (阪大・理)
P48 次期X線天文衛星搭載用CCD素子の開発
松浦 大介 (阪大・理)
P49 硬X線望遠鏡の開発と将来計画展望
小賀坂康志 (名大・理)
P50 硬X線望遠鏡気球実験用大型ゴンドラの開発
古澤 彰浩 (名大・エコトピア)
P51 国際宇宙ステーション搭載全天X線監視装置(MAXI)の開発
冨田 洋 (JAXA)
P52 全天X線監視装置(MAXI)の特徴:過去および進行中の計画との対比
上野 史郎 (JAXA)
P53 大学小型衛星Cuteの開発現状(1)
古徳 純一 (東工大・理)
P54 大学小型衛星Cuteの開発現状(2)
倉本 祐輔 (東工大・理)
P55 広視野X線分光小型衛星DIOS(Diffuse Intergalactic Oxygen Surveyor)
山崎 典子 (JAXA/ISAS)
P56 X線偏光観測衛星Polaris
林田 清 (阪大・理)
P57 ピクセル読み出し型μ-PICによるX線偏光検出器の開発
小野 健一(京大・理)