宇宙線は銀河内で最も大きなエネルギー密度を持つ基本構成要素の一つであるにも関わらず、その発見以来100年近く経った現在も加速起源は分かっていない。衝撃波面で宇宙線が効率良く加速されると、宇宙線は衝撃波からエネルギーを奪い、その結果衝撃波下流の熱的プラズマはLankine-Hugoniot関係で予想される温度まで暖まることができない。また、プラズマはエネルギーを実効的に放射しているため圧縮率と密度が上がり、プラズマ年齢が高くなる。今回我々はSN1006の電子が加速されている衝撃波面とされていない衝撃波面両方の熱的プラズマの情報をXRSにより取得する。両プラズマの温度・プラズマ年齢の差を見ることで、宇宙線へ注入されているエネルギー量を初めて観測的に測定する。