現在の宇宙のバリオン量の半分程度は 10^(6-8) K のwarm-hot なガス (WHIM)が占め、ダークマターに沿って大規模構造を形成していると考えられている。近年、クェーサーの Grating スペクトル中の電離酸素の吸収線、銀河団周辺の CCD スペクトル中の soft excess などから WHIM の診断が行なわれ始めた。しかし、CCD のエネルギー分解能では系内物質と WHIM を区別できない。
XRS は広がった天体に対しても酸素輝線の赤方偏移を 0.01 の精度で決定できる。そこで、系内物質の寄与の不定性なしに、 soft excess の温度、line intensity をはじめて求められる。本講演では、XRS と Grating の観測を組み合わせて得られる WHIM の温度、密度、奥行き等のパラメタについて議論する。