AGNからの広がった鉄輝線の発見はASCA衛星の最大の成果の一つである。しかし、Chandra衛星、XMM衛星の観測によって、幅の狭い、従ってブラックホールから遠方に起源をもつ輝線が多くの場合寄与していることもわかり、広がった鉄輝線の解釈は再検討を要求されている。Astro-E2は、1)XRSで幅の狭い成分の寄与を押さえ2)HXDで正確な連続成分を決め、3)XISで幅の広い成分のスペクトルとその時間変動を追うことでAGNの鉄輝線の起源を系統的に明らかにしたい。この点を具体例を使って定量的に検討する。
加えて、広がった輝線がブラックホール近傍から出ているというモデルの証拠としてC,Oなどの他の元素の輝線に関してもAstro-E2(XRS,XIS-BI)が有効であることを示す。