AGNの様々な構成要素のうち、統一モデルで登場する``Obscuring torus''は様々な観点でその重要性が認識されてきている。例えば、このtorusが存在すると考えられている中心から数10-1 pcは、銀河核へ質量を落とし込む(燃料を供給する)メカニズムが全くわかっていない領域で、fueling問題の解決のために最も重要であると考えられている。また、torus構造は母銀河の中心核付近での星生成活動性やAGNの光度に依存するので、母銀河との関連も含めたAGNの形成・進化の全容を明らかにする上でもtorusの理解は非常に重要である。Astro-E2による観測から、torusから期待される鉄輝線の、形状と強度の変動を測ることによって、運動状態と大きさを知ることができ、物理的な理解のために必要な情報を得ることができる。主にSWGターゲットのNGC 2992を例にとって期待される成果を述べる。