核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)は、将来の核融合発電に向けた研究のための実験装置で、数keVの温度のプラズマを発生させ、数秒間持続させることができる。LHDには既に様々な計測機器があり、例えば、He様鉄イオンの共鳴線を測定し、その速度幅からイオン温度を求める分光器などが用意されている。しかし、XRSのような広いX線エネルギー領域での感度と高い分光能力とを併せ持つ検出器は存在しない。そこで我々は、Astro-E2衛星のデータと比較するために、LHDからのプラズマ放射を測定する湾曲結晶を用いた分光器を作成中である。初年度は、6.4--7.0keVのエネルギー領域で数eVのエネルギー分解能をもつシステムを設計し、2005年秋の測定開始を予定している。本講演では、開発中の分光器システムの概要と、所得できる地上プラズマデータのAstro-E2衛星データ解析での活用法の展望について述べる。