透過力の強いX線は、星がまさに塵の中で生まれる現場を捉えることができる。これは赤外線や電波など他の波長が、原始星本体ではなく周辺物質(降着円盤やジェット)をトレースするのに対比的で、他の波長にはできないユニークな視点である。我々はAstro-E2の硬X線、特にラインX線を使って、星本体のダイナミクスと構造に迫ることができると考える。鉄の He-like 輝線(6.7 keV) および、中性(低電離)鉄の蛍光X線(6.4 keV)のドップラーシフトのぶれをモジュレーションとして検出すること、またドップラー速度を求めることにより、原始星の自転周期、原始星本体の半径(下限値)、さらに星本体の質量を初めて求めることができる。これらの量は星生成における最も基本な物理量であり、本質的な研究課題である。