SMILE-2+
SMILE-II検出器で得られた知見を元に、
より広い観測帯域でより大きな有効面積を実現するべく
新しい構造の電子飛跡検出型コンプトン望遠鏡を開発しています。
ETCCがガンマ線天体探査に適することの証明のため、
このSMILE-2+望遠鏡を用いた気球実験により、
銀河中心領域からの電子陽電子対消滅線やかに星雲の観測を提案し、
宇宙科学研究所の2018年度豪州大気球実験として採択され、
2018年4月にオーストラリア アリススプリングから放球されました。
SMILE-2+ ETCC
SMILE-2+のETCCは、Ar 2気圧の30×30×30 cm3のガス飛跡検出器と
それを取り囲むように配置されたGSOピクセルシンチレータアレイで構成されています。
これまでのETCCと異なり、GSOシンチレータをガス容器内部に設置したことで、
散乱ガンマ線を効率良く捉えることができるようになった事に加え、
従来は測定範囲外であった0.3 MeV以上の高エネルギー電子も検出できるため、
0.3~1.5 MeVの広いエネルギー帯域に渡って、大きな有効面積が実現可能となっています。
2018年4月7日に、オーストラリア アリススプリングスより放球され、
26時間余の水平浮遊の後、実験機器は無事回収されました。
実験の様子
発表論文等
- T. Tanimori+, J. Phys. conf. ser., 1468 (2019) 012046
- 高田淳史, 谷森達, RADIOISOTOPES, 68 (2019) 865-875
- A. Takada+, ApJ, 930 (2022) 6
- T. Ikeda+, PoS(ICRC2023) 663
- T. Ikeda+, PRD, 108 (2023) 123013
- T. Oka+, NIM A, 1063 (2024), 169242
- 実験概要説明ポスター
- ISAS発表文
- STRATOCAT news
- しんぶん赤旗 (7月18日付)
- ISASニュース2023年1月号 宇宙科学最前線
- あいさすGATE (2024年2月26日)