鶴 剛: 講義/物理教室向け2005年度前期「エレクトロニクス」


はじめに

私はこの講義では物理学実験に必要な技術としてのエレクトロニクスをみなさんに紹介して行こうと思っています。

理学部物理学科ですと、電気電子のような感じのいわゆる専門的な授業はできませんし、また必要はありません。我々にとってエレクトロニクスは手段であり目的ではありませんからね。でも、物理と言う目的を達成させるには、優れた測定装置は必須であり、常にその革新的な進歩が物理の発見を支えたわけです。それに私たちが必要とする実験装置は世間一般には特殊なものですから、お金で解決できるような生易しいものでは無いのです。自分たちで考案、開発して行くしか無いのです。それができない実験屋、実験グループは世界一には決してなれません。

エレクトロニクスを含む実験技術は実験物理屋にはとっても重要なことなのです(多分、難しい数式を解くよりも)。

回路図を読んで動作を理解することと、自分で良い回路を設計することはだいぶ違います。もちろん後者の方がはるかに難しい。回路を理解する一つの良い方法は、プロの設計した優れた回路を良く読むことです。この講義ではそのプロが設計した回路を読んで理解することを目標にしたいと思っています。この講義で身に付けた知識を元に、大学院で先輩やプロの設計した回路を読んでさらに精進して下さい。

そうそう、大学院入試に回路の問題が出ますよね。他の問題に比べてよっぽど簡単だと思うのですが、やっぱり選択する人は少ないですね。今年度はそのことも意識しようと思っています。私も過去問に目を通しておきます。目指すは「大学院入試にも使える講義」ですな。

それから最後に大切なこと。自分が設計して作った回路がちゃんと動くときの感激はひとしおです。ぜひみなさんも体験して下さい。


講義予定

シラバス

講義録(時々アップデートしています)

試験問題


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