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for Medical

コンプトンカメラの医療応用

med_fog1.png核医学イメージング装置であるSPECT・PETは機能画像イメージングに大きな貢献をしていますが、
SPECTは300KeVまでのγ線しか扱えず、PETは電子陽電子対生成を起こす製剤しか利用できないという制限があります。
一般的に電子陽電子対生成を起こす製剤は半減期が非常に短く取り扱いが難しいです。
このような中、使用できる製剤の範囲が広い新たなγ線イメージング装置の開発には多くの期待が集まっています。
このような装置の筆頭にコンプトンカメラがあります。
コンプトンカメラはコンプトン散乱を利用しているため広いエネルギー測定レンジを持ちます。
我々の研究室で開発された電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)は電子飛跡測定が可能なため、
コンプトンカメラの医療応用実用化への可能性を一気に高めました。
我々は医療用ETCCを開発し利用可能なRI製剤の範囲を広げることで医療機能イメージングの可能性を広げ、
医療に貢献することを目指しています。
特徴 医療応用への期待
ガンマ線エネルギーの測定範囲が広い 薬剤の同時撮影・粒子線治療のリアルタイムモニタリング
視野角が広い (3str) 術者への空間確保 (少ない台数で3次元撮像可能)
ガンマ線の到来方向を完全に決定可能 位置分解能の向上
運動学的手法による雑音除去 高感度化 = 低被曝化

ガンを早期発見・治療するには核医学の発展が必要不可欠です。
ヒトの体内を的確に診断するためには3つの分野:“臨床”・“薬剤”・“機器”が融合して初めて可能と言われています。
また私達は薬学部・医学部と連携し研究開発を行い、医療の必要性に沿った研究開発を行っています。
本研究はキヤノン株式会社と共同研究を行っています。

先端計測分析技術・機器開発事業における結果

med_fig2.png平成16年度から平成20年度まで
先端計測分析技術・機器開発事業においてコンプトンカメラの医療応用研究を行いました。
検出部面積が30cm×30cmのETCCのプロトタイプを製作し、
植物内部の放射性同位体の可視化を実現しました。




最近の結果

18Fの測定

med_fig3.png18FはPET用の放射性製剤のトレーサーとして広く使用されています。
β+崩壊核種で、電子・陽電子対消滅で生成される511keVのガンマ線が放出され、
半減期はおよそ2時間です。
図はETCCで測定したFDGのスペクトル分布と線源の位置を再構成した2次元分布を示しています。
この様に、FDGの測定にETCCを利用可能です。



新型ETCCの組み上げ

med_fig4.png気球実験で開発された新型回路を組み込み測定器全体の小型化を達成しました。
前世代型のETCCでは全体の大きさが180cm程度でしたが、
新型の測定器は56cmと大幅にコンパクトになっています。
また、医療用途として用いるためには高効率でイベントを収集する必要がありますが、
従来の測定器では30Hz程度と低く、医療用途としては使用できませんでした。
新型回路を組み込んだ気球実験用ETCCを用いた加速器実験のデータでは雑音が1/10に落ちていることが確認できています 。
医療用のETCCにおいても新型回路を用いることで700Hz程度の検出効率を達成しており、
数十倍の高効率化に成功しました。
現在、医療用途として用いるために、さらなる検証を進めています。