鶴 剛: 講義/1回生向け2005-2018年度後期「物理学基礎論B」
はじめに
電磁気学について講義を行います.
講義を受けている人は何度も聞いていると思いますが,電磁気学に限らず,物理学を学ぶ上で強調しておきたいのは...
- 式を覚えたり計算できることは立派なこと.
しかしさらに大切なのは式の意味 (心) を理解すること.それ無しに計算がどんなに解けてもそれは物理とは言わない.
- また定性的・半定量的な「直観的理解」というものを大切にしたい.
- 式には色々な表現の仕方がある.その仕方の違いにびっくりしないこと.
参考書
私が講義を行う上で参考にしている本,その他読みやすそうな本を紹介しておきます.
「完全に準拠した」という意味での教科書は特に指定はしません.
たくさん本が出ていると思いますが、それぞれはそれぞれに特徴があります.
コンパクトにまとめたものや,式変形も詳細に書いたもの,
直感的に理解できるような説明を試みたもの,などなど.到達する所は同じでも,アプローチはいろいろです.
各自,本屋さんや図書館で眺めて自分に合った教科書を見つけて下さい.
電磁気学(講義は主にこの2冊を基本に構成している)
- (物理入門コース)「電磁気学 I」「電磁気学II」長岡洋介,岩波書店,ISBN4-00-007643-3,ISBN4-00-007644-2
- (物理の考え方) 「電磁気学の考え方」砂川重信, 岩波書店, ISBN4-00-007892-5
電磁気学(その他適宜使用している参考書)
- (物理テキストシリーズ)「電磁気学」砂川重信, 岩波書店, ISBN4-00-007744-9
- 「物理学 B (電磁気学)」小口武彦編, 槙書店, ISBN4-8375-0533-3
- 「電磁気学入門」岡崎誠, 裳華房, ISBN4-7853-2223-3
- 「物理学基礎」原康夫, 学術図書出版社, ISBN4-87361-662-X
- 「E と H , D と B」広瀬立成, 共立出版, ISBN4-320-03155-5
- 「スカラー場, ベクトル場」鈴木尚道, 共立出版, ISBN4-320-03308-6
ベクトル解析について
- 「div, grad, rot・・・ 」大槻義彦, 共立出版, ISBN4-320-03306-X
- 「物理数学の直観的方法」長沼伸一郎, 通商産業研究社(ブルーバックスからも出ているようです),
- 「スッキリわかる 続 数学ガイドブック」安藤えい一, くもん出版 ISBN4-87576-566-5
- (数学ワンポイント双書) 「ベクトル解析」深見哲造, 共立出版 ISBN4-87576-566-5
講義予定
- 第 1 章 電荷にはたらく力
- 第 2 章 静電場の性質
- 第 3 章 静電場の微分法則
- 第 4 章 導体と静電場
- 第 5 章 定常電流の性質
- 第 6 章 静磁場の基本法則
- 第 7 章 磁場が電流に及ぼす力
- 第 8 章 時間的に変動する電場と磁場: 電磁誘導の法則
- 第 9 章 マックスウェルの法則と電磁場
講義録(時々アップデートしています)
KisoronB_v2018_0.pdf (4.6MB)
試験について
入試とは違い,勉強してもらうことが目的です.
下記の過去問,講義録の中の「例題」を,そのまままたは少し改変した問題を出します.
- 過去問:
FY2005,
FY2006,
FY2007,
FY2008,
FY2009,
FY2010,
FY2011,
FY2012,
FY2013,
FY2014,
FY2015
過去の試験問題の多くは下記に示す演習書を参考に作っています.解き方などは演習書を参考にすると良いでしょう.
- 演習書:(物理入門コース/演習)「例解 電磁気学演習」長岡洋介・丹慶勝市著,岩波出版 ISBN4-00-007792-9
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