鶴 剛: 講義/2011年度「高エネルギー天文学」


はじめに

私が学生時代に勉強したことを中心に、高エネルギー天文学を志す学生に、「これはどうしても知っておいて欲しい」と考えている事柄を説明して行きます。

かの林忠四郎先生は「宇宙を素過程で理解する」というのを大事にされていたとお 聞きしています。私もそれは大賛成(私如きがおこがましいですが)。ということで、出来るだけ数式を使って理解することを目指します。と、いっても、数式を「解く」のは数学であって、物理学者の仕事ではありません(断言)。ましてや私は観測屋ですし。そこで、井上一先生のおっしゃった「心を理解する」ということを大切にしながら講義をしたいと思っています。

宇宙物理は本当に多岐多様に渡ります。ですから、それを一本の筋を通した形で講義を行うのは容易ではありません。人によって色々なスタイルがあると思います。他の波長に比べてX線では熱的、非熱的、原子、原子核輝線など物理に直結する数多くの輻射素過程が登場します。そこでここでは各輻射素過程を中心軸にして説明し、それに関連する宇宙物理を講義するスタイルにしたいと思います。しかし宇宙物理も全貌を網羅するように注意を払い(たいと思い)ますので、講義を全部聞くことで一応の網羅した知識を得ることができる予定です。


講義録(時々アップデートしています)

HighEnergyAstro_v2011_0.pdf(100MB)


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