鶴 剛: 講義/2016年度「宇宙物理入門」


はじめに

私が学生時代に勉強したことを中心に、宇宙物理の基礎的な内容を説明して行きます。

かの林忠四郎先生は「宇宙を素過程で理解する」というのを大事にされていたとお 聞きしています。私もそれは大賛成(私如きがおこがましいですが)。ということで、出来るだけ数式を使って理解することを目指します。と、いっても、数式を「解く」のは数学であって、物理学者の仕事ではありません(断言)。ましてや私は観測屋ですし。そこで、井上一先生のおっしゃった「心を理解する」ということを大切にしながら講義をしたいと思っています。

ご覧の通り,この講義は大学院生向けに2011年度まで講義形式で行っていた「高エネルギー天文学II」とベースは同じです. しかし,実際の講義では重点の置き方に違いを持たせます. 大学院生向けの場合は.「高エネルギー天文学」を専門として目指す学生向けですので「知識」も重要視します. 一方で,この講義は「物理で宇宙を理解する」ということを主眼に置きたいと思っております.

今年度は試行的に,何度かスライドを使用した講義を取り入れてみようと思います. これは講義当日に単純な意味で板書の代わりとしてスライドを表示する,という意味ではありません. そうではなく,板書を「ひたすら書き写す」作業から解放し,講義の際にできるだけ考えてもらうことが目的です. 手順として,講義スライドをアップロードした際にアナウンスをします 講義に参加する方は,あらかじめスライドをダウンロードし,講義当日にノートパソコンで電子的, あるいはプリントアウトを持ってきてください(こちらからプリントアウトの配布はしません). スライド自身は講義録からコピーアンドペーストしたものですが,そもそもこの講義録は私の「メモ」的な側面が強く, それだけで理解するのは難しいと思っております(たとえば,私にとっては自明な図は入れていないなど). そのような補足を講義当日は板書で行うことになるでしょう. 従って講義を聞きながら,それに色々メモを取ってもらうとことになるでしょう(結局,ある程度ノートをとることになる).


講義録(時々アップデートしています)

HighEnergyAstro_v2016_2.pdf(100MB)



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