宇宙分科会
天文天体物理夏の学校2006
Introduction
招待講師
一般講演
時間割

■■ 招待講師紹介 ■■

 戎崎 俊一氏 
「極限エネルギー宇宙線の起源を探る宇宙線望遠鏡EUSO」

EUSO (Extreme Universe Space Observatory)は約60度の視野を持つ超広視野望遠鏡である。高度約400 kmの軌道上の国際宇宙ステーションから、1020電子ボルト(eV)を超える極限エネルギー宇宙線を観測する。宇宙から到来する宇宙線は、地球の大気の原子核と衝突して主に電子・陽電子・ガンマ線からなる空気シャワー(Extensive Air-Shower:以後EAS)を形成する。EUSOはこのとき励起された窒素分子から放射される蛍光紫外線を数μ秒の時間間隔で撮像し、EASの発達を三次元的に再構築する。これにより一次宇宙線のエネルギーと到来方向を決める。
EUSOの科学目標は、1)極限エネルギー宇宙線の起源と伝播の謎を解き明かす、2)極限エネルギーニュートリノをはじめて検出する、3)大気内発光現象を網羅的に研究する、にまとめられる。

 間瀬 圭一氏 
「IceCubeで探る宇宙 」

IceCube実験は南極氷河中に4800本もの光電子増培管を埋め、1  km3 の有効体積を活かして高エネルギーニュートリノを観測する実験である。 このような高エネルギーニュートリノは宇宙の至る所で行われている 高エネルギー現象に伴って生成される。 例えば活動銀河核、ガンマ線バースト、超新星等の高エネルギー天体中、 またダークマター(ニュートラリーノ)の対消滅、また超高エネルギー 宇宙線と 宇宙背景放射光子との相互作用等である。 IceCubeはこれらの高エネルギー宇宙ニュートリノを観測する事で、 ニュートリノ天文学を切り開くとともに、素粒子理論の検証を行う。 今までに全体の約10分の1に当たる9本のストリングが完成し、 既に世界最大の検出器として稼動している。
本講演ではIceCubeの現状とともに、IceCubeで探る宇宙と その物理について お話しする。

座長
高見 一 (東大 宇宙理論研究室D1)
水上 拓 (京大 宇宙線研究室M2)
小池 貴 (名大 太陽地球環境研究所M2)