NTE spectrum Ver.2.0 by H. Yamaguchi
クレームがあったので(?)ちょっとだけ更新しました。 (05.12.14)
Version up と言う程でもないので名前は Ver.2.0 のままです。
PI file を Det系対応、Sky系対応の2種類用意しました。
夜地球のイベントファイル及びPIファイル(スペクトル)です。
Data screening は XIS Data Processing rev0.3 (要認証) に従っています。
夜地球の Elevation criteria は ELV<-10 && DYE_ELV>100 です。
Event file
XIS0
XIS1
XIS2
XIS3
PI file 視野中心から半径約7'の円内から抽出したスペクトルです。
Sky座標系対応
XIS0
XIS1
XIS2
XIS3
Det座標系対応
XIS0
XIS1
XIS2
XIS3
!!! Sky系 と Det系 で BACKSCAL の値が異なります !!!
CCD上の同じ領域からスペクトルを抽出しても、Sky座標系で領域を指定した場合と
Det座標系で領域を指定した場合とで得られる BACKSCAL の値(面積)が異なります。
この相違は、XISの座標空間の一辺の長さが Sky座標系 と Det座標系 とで異なることに起因します。
XSELECT はデフォルトで Sky座標系 になっているので(多分)、観測データに対する簡易バックグラウンドとして利用される場合には Sky座標対応 の PIファイル を使って頂ければ問題ないかと思います。
詳しくは下記「注意点」の項目をご覧下さい。
上記 Event file, PI file 4台分全て (.tar.gz)
スペクトルのイメージ
Linear scale
Log scale
このイベントファイル及びPIファイルについて
2005/8/13 (N132D) 〜 2005/11/30 (Cygnus Loop) に取得された
2x2, 3x3, 5x5のnormal modeのデータ全てを使っています。
(ヘッダの EDITMODE は '2x2' になっていますが誤りではありません。)
今回はテレメトリサチュレーションが起きている時間を
完全に除外しています。さらにSAA直後など count rate が特に高い時間帯も除外しています。
得られた Exposure は以下の通りです。
XIS0: 147182sec,
XIS1: 155113sec,
XIS2: 153622sec,
XIS3: 148219sec
!!!! 注意点 !!!!
一応スペクトルのPIファイルを用意しましたが、観測データに対する Non X-ray Background を正確に見積もるためには、イベントファイルに戻って解析したい天体とCCD上で同じ領域からスペクトルを抽出しなおすことをお奨めします。
これは、バックグラウンドにCCD上での位置依存性があるためです。特に XIS0 では 55Feの Calibration source が照射する領域以外からも Mn-K のイベントが検出される上、その分布が一様ではありませんのでご注意下さい。
XIS0 5.9keV (Mn-Kα) の Det座標系 でのイメージ →
smoothing あり
smoothing なし
その際、Sky座標のままでは ds9 などでイメージが正しく表示されません。以下のような手順で Det座標系 でイメージを表示させ、バックグラウンドの領域を指定して下さい。
XSELECT を立ち上げます。おそらくデフォルトでは Sky座標系 に設定されているので、
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > set image det
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > bin all
として Det系 に切り替えます。
次に領域を指定します。
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > saoimage
として ds9 を立ち上げ、
メニューバーの Region から、 File Format -> SAOimage を選択します。
任意の領域を指定し、
メニューバーの Region から Save Regions を選択して region file を保存します。
再び XSELECT に戻り、
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > filter region ***.reg
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > bin all
xsel:SUZAKU-XIS0-STANDARD > save spec ***.pi
とすれば選択した領域の NTEスペクトルが生成されます。
但し、ここで注意しなければならないのが、
Det系 で領域を指定した場合の BACKSCAL の値(PIファイルのヘッダに書かれます)が Sky系で指定した場合の値と一致しない
ということです。
BACKSCAL には選択した領域の面積を、その座標空間の総面積で割った値が入ります。
XIS の Sky座標は 1536x1536 で定義されているので、
例えば Sky座標系 でチップ全体 (1024x1024 pixel) を選択した場合、
BACKSCAL には (1024x1024) / (1536x1536) = 0.44444444 が入ります。
一方で Det座標は 1024x1024 で定義されているので、
Det座標系でチップ全体を選択すると、BACKSCAL には 「1」 が入ります。
従って、異なる座標系から抽出されたスペクトルを XSPEC で back すると、バックグラウンドの差し引きが正しく行われません。これを防ぐには、
(1) ソースのスペクトルも Det座標系で抽出する
(2) 抽出したNTEスペクトルの BACKSCAL の値を fparkey などで 0.44444444 倍する
のいずれかの処置を取って下さい。
!!!! 重要 !!!!
FI3台 (XIS0, XIS2, XIS3) については
0.4keV 以下はカウントレートが正しくないので無視して下さい。
FI3台はEvent Thresholdが50のときと100のときがあるのにも関わらず
Exposureがそのことを考慮に入れることなく単純に積分されているためです。
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