X線天文の未来のために:データ(自然)を観る眼力を!

X線天文学の誕生はロッシやジャコーニらによる10分に満たない観測です。それは一線級の理論家の予側すらはるかに凌駕する強い太陽系外X線の発見でした。この誕生が象徴するように、X線天文学の魅力は「想像を超える意外な発見」、つまり「わくわく感」です。しかし、そのような「わくわくする発見」が近年少なくなりました。X線天文学の発展フェーズが詳細に入ったことを理由にあげる人がいますが、私はそれは言い訳や逃げの言葉だと思います。
なによりも当事者(研究者)の自然に対する態度―それは研究の夢であり自然をみる眼力ですーが萎えてしまったためではないか。
例えば、データ解析にあたって、ルーチン的プロセスをデフォルト値を採用したまま機械的に流し、最後のアウトプットを既存のモデルにあて「あった、合わない」という研究態度では研究の夢や自然への眼力は醸成されません。
 ジュニアー研究者に知識を教えるのではなく、具体的な例でもって研究態度へのメッセージを伝えることを真意に、すでに数回の講義をしています。限られた時間内でメッセージが伝わったか実に心もとないのですが、受講者、それ以外の方にも、再度伝えるため講義録を公開します。Face-To-Faceで対話しないことには、真意を伝えることには限界がありますが。
Astro-Hの性能は必ず「わくわくする新事実」を垣間見せます。初めは些細なヒント かもしれません。だれより先にそれを見抜く眼力を磨きましょう。